富士見台の動物病院プロジェクト05

12月頭には3階と屋根のコンクリート打設が行われ、躯体工事は無事終了した。コンクリート工事の間に暑かった夏から一気に肌寒い冬へと季節が変わり、いよいよ年の瀬が迫っている。予定よりも工程に遅れが出てしまったが、これからの内装や仕上工事で挽回するべく、前倒しの手配や決定が必要になってくる。

強度が確保できた下階から型枠のばらしが進み、コンクリートがあらわになってきた。所々で小さなジャンカがあるものの、概ね打設状態は良好で一安心。補修が必要なところと、少し荒くても手を入れないでそのまま見せるところの判断が必要になってくるだろう。あまりにきれいに補修しすぎたコンクリートの仕上げは不自然で却って気持ち悪いので、そのあたりのさじ加減が重要だ。

しかしこのコンクリートだけが存在する荒々しい状態は、一時的なものゆえに力強くてなんとも美しい。ここにまずサッシが取り付けられて、防水や断熱が施され、設備・電気の配管・配線も加わってコンクリートは見えにくくなっていく。内装では天井は見えなくなるし、壁も半分以上はボードで覆われてしまう。逆に周囲の仕上げがコンクリートを引き立たせる役割をするといいのだが。年内はギリギリまでできる作業をしてもらい、年明けで本格的な仕上げの工程に入っていく。

このブログが今年最後の仕事となった。コロナの分類は5月に5類へ移行し、ようやく日常を取り戻したように見える。しかしこの一年の物価高騰や人手不足は深刻で、建築業界ではもろに影響を受けて苦しんでいる人は多い。この現場でもそれらに苦しんで工事費やスケジュールにおいては厳しい状態が続いている。

今年は田園調布の住宅が竣工して久しぶりに新築案件を公開することができた。来年3月には富士見台の動物病院が竣工して日の目を見ることになっている。その他お声がけはいただいてもなかなか実現にいたらない案件も多かった。富士見台の先が続きそうもなくて心配ではあるが、今のところこの案件に全力を注いで完成まで突っ走ることを意識したい。
来年もよろしくお願いいたします。

2023/12/30