富士見台の動物病院プロジェクト07

関係機関の検査が一通り終わって先日無事引渡りとなり、翌日には病院主催の内覧会が行われた。休診日である木曜日だったため、そんなにたくさんの人が来るのかちょっと不安だったが杞憂に終わった。とてもたくさんの患者さんがペットを連れて足を運んでくれたのである。もちろん診察するわけではないので、元気いっぱいの主にワンちゃんたちが集まっていた。

特に今回の目玉である3Fルーフバルコニーのドッグランと、そこに面するカフェは盛況だった。エレベーターから降りると人とペットで溢れかえり居場所もないくらい。フリードリンクで飲み物が振る舞われたこともあって、みなさんいたるところでお話して寛いでいらっしゃった。そこまで広くはないドッグランを小さなワンちゃんが走り回っているのを見て、ホッとするというか正直感動してしまった。どのくらい機能するか不安があったものの、そこにはイメージしたドッグランとカフェの理想形がちゃんと現れていたのだ。

訪れた患者さんは普段見られない手術や処置といったバックヤードを案内してもらったり、ペットホテルやトリミングといった病院以外の機能についてもスタッフから説明を受けていた。元々隣地ビルの1階テナントで営業しており新しいところで心機一転の営業となるため、普段から興味を持ってくれていた人は多いと思う。ドッグランとカフェができたのは大きな変化だが、病院全体がオープンなつくりになり、トリミング室も2階で外からよく見えるようになったのもかなり印象が違う。

最初にお話をいただいたのは2年前。もっと早くのオープンを希望されていたのに応えられなかったのは申し訳ない。しかしコロナや物価高や人手不足といった建築業界の厳しい時期に、なんとか形にすることができて一安心している。ドッグランやカフェを併設して病院機能を広げるような試みは大変興味深かったので、今後どのように発展し地域にも影響していくのか注目していきたい。

相変わらずお祝いの花で溢れかえっているので、正式な竣工写真は数ヶ月先にあらためて撮影日を設ける予定。今回はいつもの竣工祝のリサ・ラーソンとは趣向を変えて大きめの観葉植物をプレゼント。実は病院正面で計画していたシンボルツリーを予算的に断念した経緯があって、それに変わるものとして選んでみた。室内よりは外に置いてもらうような、大きめの葉が落ちるゴムの木である。いつか大きくなって地植えすることになれば嬉しいのだが。

2024/03/23