槇事務所60年展「Vernacular Humanism」へ

浜松町のマンションが竣工間際である。現場に行く回数も増えるがずっといるわけではないので合間を見てすぐ近くで開催の槇文彦氏の展覧会「Vernacular Humanism」へ。槇総合計画事務所の創立60年を記念したイベントで、会場となるBLUE FRONT SHIBAURA TOWER Sは同事務所の設計である。

槇文彦さんは我々世代では堅実に良いものを作る超の付く大物建築家である。槇さん設計の作品といえば、代官山ヒルサイドテラス、スパイラル、東京体育館、幕張メッセ、東京キリスト教会、風の丘葬祭場、あたりが浮かんでくる。ヒルサイドテラスは何度も訪れているし、昨年はスパイラルでも展覧会があって足を運んだ。9.11同時多発テロで崩壊したWTC跡地でのビル設計や、国立競技場ザハ案の反対運動などでの発言も記憶に新しい。最近はそんなにチェックできていないが、特に学生時代は憧れた存在である。

そんな槇さんが亡くなってもう2年になるが、今回の展示は槇事務所の創立60年を記念して芝のウォーターフロントに建つ予定の2棟の高層ビルのうち、1年前にオープンした片方のタワーで開催された。オフィスフロアのラウンジ一角で入場無料。色んな意味てオープンで素晴らしい。槇事務所の60年を作品とともに辿れる、文字通りの絵巻物が70メートルとい長さで連続している。きれいな模型群もやはり見ていて楽しい。

60年前というとまだ自分が生まれていなくて、そう考えると時間の長さを痛感する。槇さんが独立デビューした1960年代半ばというと自分からは遠い時代だと感じてしまうが、しかしヒルサイドテラスなんて第一期が1969年だから、その古びれない建築と街と思想を思うとあらためてびっくりしてしまう。145という連続する作品群を眺めて、継続することや時代を超えて残ることの大切さを痛感させられる。自分は創立17年。息切れしている場合ではないのである。

タワーの足元周辺も徐々に賑わってきている様子。BLUE FRONT SHIBAURA TOWER Sの末尾Sはサウスという意味で、ノース側にもう一棟Nが建つらしい。二棟のタワーが立ち上がって間が生まれ、海の方でも色んな場ができるとまた楽しくなりそうである。
またまた会期ギリギリで行ったらなんと会期延長ということで、5月末まで開催中とのこと。現場が近いしまた行ってもいいな。

2026/03/31