沖縄の家02

ゆったりのスケジュールで進んでいる沖縄の家。まずもって敷地周辺の模型を作り出したら予想以上に時間と手間が掛かることになった。傾斜地の高低差やそこに埋もれるようにして建つ近隣住戸のつくり込みは、アルバイトの子には手に余る作業だったかもしれない。しかしこれを眺めながら、ああでもないこうでもないと思考をめぐらす過程はどうしても必要なのだ。

できてみると現地にてアイレベルで感じる見え方と、俯瞰してみたイメージとでは当然違う。特にRC造の白い陸屋根の所々に、赤瓦の勾配屋根が思ったより大きな面積を占めているのが分かる。今回、建築条件として白い壁と赤瓦の使用が義務づけられているのだが、陸屋根に囲まれて見にくい勾配屋根の規定にどれほどの意味があるのだろうか。

先日は最初の提案打合せを行った。木造でという建て主の要望を条件とすると、どうしても全体が勾配屋根となって近隣のRC陸屋根よりも大きな赤瓦面積を占めることになる。せっかくならアイレベルからでも見えるようにしたいし、かといって大きな屋根が全て赤瓦だと存在感が強すぎる。主に建物のボリュームをどのように分けて周辺になじませるかということの提案だったと思う。

米軍向けの賃貸となる前提ではあるが、戦後主流となったRC造の住宅とは一線を画し、木造・花ブロック・アマハジ(縁側)など、どちらかと言えば戦前までの伝統的な沖縄の家を意識することになっている。もうちょっと掘り下げたい。

2020/02/16