等々力の歯科医院プロジェクト

かなり遅ればせなのだが、等々力で進んでいる歯科医院の現場の経過を遡って書いておこうと思う。4階建てマンションの1階+地階部分にあった立体駐車場をテナントにして改修するという、かなり思い切った計画。法的に難儀するかと思われたが、用途変更や容積率の問題もクリアできてプロジェクトとして前に進めることができた。

立体駐車場があった地階には鉄骨を立てて新たな床をつくる。高さ関係の条件が厳しいので、床スラブはALC版として荷重を抑え、鉄骨梁の断面寸法も最低限のものにしている。1階が主な診療スペースだが、地階からの配管やダクトなどもあり、そのルート確保やポンプアップ排水の処理もそれなりに大変だ。

歯医者さんの設計は初めてだが、驚くのはとにかく機器への配管・配線の多いこと。1台の診察台に対して通常の給排水以外にエアーやバキュームといった歯科ならではの配管が必要で、電気的にもモニタを通してのレントゲン情報端末や操作線が必要となる。しかも診察台に対して詳細な位置出しが必要だったり、機械室と設けてコンプレサーその他の機械を設置するなど、設備的にかなり複雑なのである。

待合は思い切って外部に対して開放的で、曲面を用いた壁で視線を内部に導くようなデザインの予定。「小児矯正歯科」ということで主に子どもを対象としているので、内装的にも優しい印象の病院にしたいと思っている。
 

2020/03/28