まちライブラリー@MUFG PARKへ

少し前に高校生の子どもが休日に勉強するのにどこの図書館がいいかというので、妹島和世氏設計「なかまちテラス」をおすすめした。同時に少し距離があるが「MUFG PARK」という素敵なライブラリーがあるよ、と言い添える。前者はインパクトが強く見どころもある建築だけど、後者の方が公園と一体で居心地はいいだろうね。
なんて言いながら、実は行ったことがなかった「MUFJ PARK」。春のような暖かさの日で、少々長い距離の自転車も苦にならないだろうと足を運んだ。

入口の門を通るとさっそく芝生広場の向こうに円弧状の大きな屋根が特徴のライブラリーが見える。広場で遊ぶ親子連れや少年たちがいて、近づくとベンチでお茶してるカップルやおしゃべりしているママ友たち、テラスのテーブルでは学生が勉強したり、同年代のお一人様がパソコンを広げたり本を読んだりしている。そしてそういった色んな人達と佇まいがそのまま自然に内部空間にまで連続していた。正式なエントランスは裏に回るようだが、芝生広場からも出入り自由でトータルの出入口は4つもある。色んなものが入り混じり、なんとも自由な運営だなという印象。

このPARK一体は三菱UFJグループが所有・整備して一般に開放しており、ライブラリーの他グラウンドやテニスコート、BBQ広場がまであって、地域に開かれた様々なイベントが行われている。
設計は三菱地所設計。「まちライブラリー」は大きく張り出した薄くシャープな屋根のインパクトが強い。そして三方ガラス張りで芝生広場に全面開放された一体感が特徴だ。サッシを構成する細いマリオンが構造を兼ねているので、屋根が浮いて見える。唯一の北側のRC壁は最上部がすべてハイサイドライトになっているのも効いている。照明も最低限とした天井はその他の機器もまったく目立たず外部テラスまで連続しており、樋もない軒先は風景を水平に切り取って周辺の自然環境に没入できる。

北側の壁一面が弧を描く本棚で、その他に腰高の本棚が個人用デスクを仕切る形で並んでいる。本自体はそれほど多くなく、というのもここに置かれるのは地域の人々が持ち寄り寄贈された本だからである。本棚上部でライトアップされた色とりどりの箱は利用者のタイムカプセルで、この空間のインテリアを楽しく特徴づけている。窓際チェアはゆったりソファ形式とカウンターチェアとテーブルセットなど色々なタイプが広場を向いて並び、コーヒーや紅茶を飲みながら寛ぐにはもってこいだ。
内装やテラスの仕上げが木目調フェイクだったのが少し残念。本物なら経年変化もあってまた違った味わいが加わっただろうと思わせる。メンテナンスは大変だろうが、それも含めて地域で育てるくらいのコンセプトであってもよかった。

とはいえ静か過ぎないで広場ともつながる空間は、以外に集中できて心地よい。人々が集まって交流したりそれぞれが自由な時間を過ごしたりと、図書館というよりは地域のコミュニティースペースと言えるだろう。三菱UFJグループの理念すばらしい。

2026/02/28