横浜の郊外を訪れ参加した都岡小学校の内覧会は、大学時代の同期である八板くんの設計である。
彼は卒業以来大学のあった横浜の近くを拠点に活動しており、先輩で先生であった有名建築家のもとでしっかりと学んだ経歴を持つ。地道に着実にステップアップして、同期の中では出世頭と言える存在だ。この小学校もプロポーザルで見事に勝ち取ったプロジェクトということでおそれ入る。
この小学校には実は3年前にも訪れていて、そのときは建替えプロジェクトの1期として校舎棟を見学させてもらった。今回は主に体育館と、コミュニティハウスと名付けられた地域活動施設の完成を機に公開された。
学校の建替えというとその場所で学びや活動の機能を継続させながら工事を進めることが基本になる。仮設を建てたり校庭という空地を利用して入れ替えたり配置換えを行ったりと、緻密な計画性と長い期間を要する仕事なのだ。経験ないけど。
都岡小学校は幹線道路に直接面してさらに角地という配置が特徴的で、道路とのつながりや色々な意味での抜けを大事に設計されている。3年前にできた校舎棟は「風の道」と呼ばれる階段室によって分割され、風や光や人が通り抜けて道路と校庭をつないぐような構成である。教室の前の廊下は幅を広くして木のベンチを設置することで展示や人が留まるようなスペースにもなっている。既存の高低差を生かした校庭との関係などうまさが光る。細かい部分にも配慮が行き届いた端正なつくりのデザインはいかにも八板くんの設計という感じで素敵であった。
今回は新たなつくられたコミュニティハウスは、メインの校門から校庭に抜ける半屋外ストリートに面してアプローチするようになっている。道路からは活動がよく見えるし、気軽に入って行って通り抜けられる感じは、地域に開かれた学校のお手本ではないだろうか。体育館や屋上プールなど日頃縁のない機能のこれまた丁寧な設計も興味深く見させてもらった。校庭に面するバルコニーはうまく緑化されて、生徒の身近な存在として管理されていくと思わせる。
ひとつだけ、3年ぶりで見た校舎棟の「風の道」は、実務的に風や人はあまり通り抜けていないようでちょっと寂しかった。具体的には窓を自由には開け閉めできないようで、安全管理上のことを考えるとなかなか難しいのだろう、理想と現実の厳しいギャップを見た気がする。
それにしてもこれだけの仕事を、言ってはなんだが小規模な事務所でまとめたあげた八板くんはすごい。図面を見ると目眩がしそうだし。訪問者に解説する姿も様になっていたなあ。負けられない。
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