「2つのボックスを挿入した家」
住宅街の商業系地域に計画した木造3階建て住宅。最大限の床面積を確保したときには法的な制限や敷地の形状を反映したのっぺりとしたボリュームになりがちなところ、2つのボックスを挿入してずらしたり傾けることで陰影をつくり出し、建物全体に動きをもたらしている。1つ目のボックスは1階ホールからルーフバルコニーまで貫通する階段室で、開放的なスケルトン階段とすることで、上下階を風と光と視線でつなぎ、各階では場を分けたり近づけたりするような役割をしている。もう1つは2階で一部の天井を高くするためのボリューム操作で生じるボックスであり、天井を高くした部分が3階や屋上階にも影響して、各階では他の用途から少し離れた奥まったような場所性を確保している。敷地形状に倣った平面的な傾きと、北側の斜線制限による勾配天井の傾きとも交わり、各所で豊かな空間が生まれている。
主要用途:専用住宅
所在地 :東京都大田区
構造規模:木造3階建て
構造設計:長坂設計工舎
照明設計:中島龍興照明デザイン研究所
敷地面積:87.86㎡
建築面積:68.74㎡
延床面積:152.74㎡
施工:北陸建設
期間:2021年7月~2023年3月
写真:ToLoLo studio
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