レッドシダーのストックヤードツアー

ウエスタンレッドシダーを専門で扱う高広木材のストックヤードツアーに参加。新木場駅からすぐの社屋にて話を聞いたあと、倉庫と加工場とストックヤードを案内してもらう流れ。社屋自体が実験場も兼ねたショールームとなっており、外装に貼られたレッドシダーでは施工性や経年変化を体験できる。内部では様々なサンプルはもちろん、実験的につくられた家具や小物も多くてそれらを見るだけでも楽しい。終始レッドシダーの香りにつつまれ、案内してくださった専務のレッドシダー好き過ぎる感がひしひしと伝わってこちらも引き込まれる。

日頃から住宅でも店舗でも極力木材を使いたいと思っており、レッドシダーを採用することも結構多い。動物病院の改修工事では、無機質な外装の外側に貼ってそれを内部にまで引き込んで見せたり、一番最近の住宅では、法的に必要な準耐火被覆の上からでもレッドシダーを貼って仕上げ、お客さんに喜んでもらうことができた。レッドシダーは水に強いのもそうだが色のばらつきが最たる特徴で、その均一性とは全く異なる意匠性が大好きな樹種だ。

レッドシダーと言えば高広木材というのは周知のことだ。正確にはウェスタンレッドシダー(WRC)として主にカナダから仕入れている。最近は丸太で輸入されることはほとんどなく、あちらで加工されて入ってくるとのこと。調達して選別し、細かい加工や管理を行う流れの説明を聞きながら、どうにも気になるものの一つは日頃お目にかかれない大きな部材や珍しい形をしたもの。もう一つは、製材の過程で発生する断面が小さかったり短くなってしまった部材だ。あるいは節があったり辺材を含んだり、ちょっと黒ずんで来て見た目が悪いもの。いわゆる高広木材の規格品としてはラインナップされない端材扱いのものたちである。それらが梱包して置いてあったりすると、どこの誰がどんな風に使うのか興味が湧いてくる。「未活用材だから破格なんですよ」なんて言われるとなおさらだ。

これまではネットやカタログで規格の商品を選ぶという方法しかしてこなかった。というよりは、まずどこにどう使いたいか、そのためにはどういう性能でどの寸法で加工された材料がよいか、といった材料のアプローチでしかなかった。それが先に材料があってそれをどう使うかという逆の発想。あるいは考えていなかったけど使えるかもしれないというアプローチ。なおかつ安く無駄をなくした有効利用ともなれば時代にもあって想像が膨らみそうだ。これはますますレッドシダーが好きになるに違いない。

帰りがけには早速今検討中の動物病院外壁に貼る材料について具体的にお話して、今後は直接相談にも乗ってもらえそうだ。

扱いをレッドシダーに限定することは勇気がいることだろう。しかしそのことで同じ樹種でも様々な品質、規格、グレードのものを様々な形で提供できるのだという言葉には妙に納得させられる。さらには正式にはラインナップされずに眠っている未活用材がうまく活かされるようになれば、それこそワン・イシューであることの強みになっていくに違いない。
レッドシダーの良さを再認識して、おもしろい活用法を考えて一層積極的に使いたいと思う。

2023/11/30