年賀状2024

「おめでとうございます」という言葉が憚られる新しい年の始まりとなってしまった。
元旦の午後には能登半島地震の報があり、次の日には日航機と海保機の衝突という痛ましいニュースが続いた。能登では余震や津波と火災といった関連災害にも襲われ、現状でも多数の行方不明者と避難者がいるという予断を許さない状況だ。家屋の倒壊という職業柄気が気でない災害に対しても、実質的になにもできない自分がもどかしい。被災した方々のことを思い、一日も早く穏やかな日常が戻ることを願わずにはいられない。
そうではなくとも心が暗くなるニュースの多い昨年だった。コロナは落ち着いてマスクをする人も減り、かなり日常が戻ってきたのは喜ばしい。しかしウクライナに続きガザで新たな戦争が始まり、日々のニュースで痛ましい情報が届く。国内でも性加害や不正の問題が紙面やネットを覆いつくし、最後には長年の政治とお金問題が判明してうんざりさせられることになった。身の回りでは物価高騰と人手不足が深刻で、先の見通しも暗いと言わざるを得ない。大阪万博の工事も無縁ではないが、一体どうなってしまうのだろう。
今年の年賀状は辰年つながりで「龍」の文字の模型。12年前は「竜」の文字だったので複雑な方にしてみた。横線の多い文字なので多層スラブに見立てた立面にしようかと思ったがひねりがないので却下。文字を四角で囲んで線に厚みを持たせると虚実が反転して見えてきたのでそれをヒントに平面を作ってみた。線の太さで何パターンもスタディするという時間と手間を掛けている。後ろからの光源なので全体に暗くなってしまったかな。定番の所感はコロナはおさまったが暗い国際情勢や酷い国内政治に言及。もう何年もずっとこんな気が滅入る言葉ばかり書いている気がする。
もうちょっと好きなものや楽しいものを意識して見るようにしよう。サッカーや野球の観戦で贔屓が活躍してくれると癒やされるのだが、そればっかりは他人任せだ。個人的には日頃の運動をもっと増やすこと、当面は現場が進む動物病院をやり切ることが目標だ。
今年もよろしくお願いします。
 

2024/01/05