ドットアーキテクツ展

近くに来たので乃木坂のギャラリー間で開催中の「ドットアーキテクツ展 ⽣きるための⼒学」へ。
同年代のリーダーを筆頭にグループで活動し、その領域は設計のみならず企画や施工やイベントにいたるまで幅広く多岐にわたる。もっと言えば人やものと関わって出来事を作っていくことが活動になっている集団だ。日常的な自分の立ち位置とはだいぶ違うところの人達ではあるが、とても羨ましく元気のもらえる展示だった。

展示そのものが様々なものが混じり合ってとにかく雑多。とてもいい意味で。スケールも素材も色も違う「ものづくり」というよりは、ジャンルもコンセプトも関わる人も違う「ことづくり」みたいな言い方がいいかもしれない。Tシャツをつくったり、ラジオ放送や映画製作もして、この会場では過去のイベントを再現したパターゴルフという「こと」をつくっている。博物館と名付けたコーナーは収集したヘンテコなものや実験的なもの、道具や模型などなどがコメント付きで並んでいてニヤニヤしながら長居してしまった。関西気質のボケたりツッコんだりのテキストも多くて、どこまで本気でどこまで冗談かも分からなくなってくる。

建築というのは様々な人が関わって巻き込んで影響していくものだけど、それを最大限に広げていく活動なのだと思う。いや彼らはそんな風には意識していなさそうだ。われわれ建築家を自称する人種はとかく立場的なものを重視してしまうけれども、それとは全く異なるアプローチをごく自然に楽しんで行っている。
 

上のフロアでは建築展で見慣れた模型が並び、建築設計の言語が並びホッと安心してしまう自分がいる。しかしそれとて彼らの活動から分離して存在しているわけではなく、たくさんの雑多なものが混ざりあった中であるからこそ出現するものだと思う。「血が通う」とはこういうことかもしれない。

2023/06/30