沖縄の家03

のんびりペースで進んでいる沖縄の家。このコロナ禍のさなか、いつになれば沖縄訪問が叶うのかという心配はありながら、先日は3回目の提案打合せ。模型作成をバイト学生に頼めないので、がんばって自分でつくったぞ。

結論から言うと、これまで前提としてきたことをもう一度見直して純粋な木造にはこだわらないことになった。沖縄の伝統=木造という構図はそれほど単純ではなく、現在はRC造が主流でつくられていることにもかなりの合理性があるのは確かだ。それを丸々無視することが沖縄らしい家というわけではないだろう。具体的には台風やシロアリといった外的な被害への対策なのだが、お客さんと話していると物理的にというのはもちろん心理的にも無視しない方がよさそうに思えてきたのだ。

「沖縄の伝統的な家というのは純粋な木造と言うよりは、それを囲むアマハジやヒンプンや石垣と一体となったものなのではないか」
とはお客さんの言葉だが、木造を守るように中間的な領域と石の構造が存在してきたことにあらためてハッとさせられる。
石は現代のコンクリートに読み替えることで「RC造に守られた木造」という構図が浮かんできて、話し合いの中でその方向性が俄然盛り上がった。

自分的にもRC造が嫌いなわけでは全くないし、盲目的にRC造を避けなくてよいと開放された気分にもなって、この先がさらに楽しみになってきた。もちろんこれまでのスタディと提案は無駄ではなく肥やしにできるわけで、もっと良くなる予感があるからね。

2020/05/25