東京藝大図書館改修工事の現場

第二の母校、東京藝大の図書館改修工事に関わっている。
藝大で教鞭をとっておられた天野太郎先生の作品。築50年以上の建築だが、このたび改修してさらに活用していくことになるという、喜ばしいことである。
昨年プロポーザル設計チームの袴田さんからお声が掛かったときはびっくりした。どうやら藝大出身者で設計チームをつくって天野先生の意思を引き継ぐという主旨らしく、なかなか経験できないことでありがたく、懐かしさも手伝って参加させてもらった。

竣工当時予算も少なく工事期間も限られた中、だからこそだと確信するが、純粋なコンクリートの躯体の生々しさと大胆さが魅力の建築となっている。今回は耐震改修がメインで、いかに当初の姿を取り戻すかというのが設計の主な方向性。
先日は現場が始まってあらかたの書架や家具などが搬出された状態を見せてもらう。これまでどうしても見通せなかった大空間に身を置いて、ようやく生身の建築に会えたような気分。格子状の大梁、連続する大開口、抑揚を生み出す室内庇、それらを構成する50年経ったコンクリートがとても美しく見えた。
どんな風に生まれ変わるのか、楽しみにしよう。

2017/09/27