堀ノ内の改修プロジェクト06

堀ノ内の改修物件が先日無事引き渡しとなった。無事、といっても予定よりも2ヶ月遅れてしまった・・・。足場が外れたのが引き渡しの3日前というドタバタぶり。塗装や器具付けの仕上げ作業はもちろん、養生を剥がしてのクリーニングや竣工検査も引越の直前となった。お客さんにとっては逆に突然仕上がった感があって、びっくり&感動効果はあったかもしれない。

今回はとにかく改修につきものの「開けてびっくり」という箇所が多かった。その度に補強方法や雨漏り対策をしながらの作業になってしまったのだが、仕方ないとは思いつつも工事前にもっと把握するすべはなかったかと、反省する点は多い。
それと木部の塗装に苦労した。現しの柱や梁、枠や棚をこげ茶系の仕上げにするのはほぼ初めてであったが、その色味をお客さんと共有するのが難しかった。本物の木は同じ種類でも様々な表情を持つし、そもそも部位毎に樹種も何種類かあるのに加え、無垢と合板と集成材という違いはもちろん、古材と新材という違いもあった。木肌を見せる塗装では元の木の色にも左右されるし、吸い込み方も違うので濃淡も様々になるのである。もっと事前のサンプルづくりを徹底して、塗り方についても塗装屋さんにしっかりと意思を伝えないといけない。

しかし住み始めたお客さんは概ね喜んでいただいていいるようでなによりだ。1階では欄間が家全体をつなぐ要素になっていて、元々開放的だった階段を大いに生かすことができたと思う。既存の小屋組を現した2階のリビングスペースはこれから家具を揃えるとのこと。空間に身を置いてどんな家具でどんな生活をしたら気持ちいいか、じっくりと考えて楽しんでもらいたい。
工事中に様々なイレギュラーなことにも対応してくれた工務店の方々には感謝である。遅くならないうちに竣工写真を整理して掲載したいと思います。

2019/02/28