中部建築巡り~岐阜メディアコスモス

名古屋では一泊して翌日は建築巡りへ。
岐阜メディアコスモスは伊東豊雄さん設計の図書館。朝一で開館時間に合わせて行くと、入口には学生とおぼしき長い行列。受付で事情を話すと自由に撮影してよいとのことで、真っ先に2階に上がった。その広さにも驚いたが、木造メッシュの屋根架構はとにかく圧巻で、久しぶりにウキウキして歩き回った。各所で盛り上がった屋根架構の下部には軽やかな傘が吊り下げられ、上からの光でほのかに照らされている。この大小様々な円形の傘はそれぞれ図書館機能や本の種類でカテゴライズされているものの、基本的には全てが仕切られずにつながっている。

想起するのは同じく伊東さん設計の仙台メディアテークだが、あちらで何層にも分かれていたものがワンフロアで展開されている印象である。もちろん多機能と図書館オンリーという違いもあるし、そもそも円形の役割が違うのではあるが、異なるものが同居してなおかつ心地よい感じとか、歩き回る空間体験の楽しさみたいなものは同じだ。仙台メディアテークですでに体験していた分衝撃は少なかったものの、より威力が増してその良さが発揮されていると思う。土曜日だったこともあって、学生や親子連れやはたまたご年配の方など、様々な人が様々な目的で訪れていたことも輪を掛けていたかもしれない。

傘の下は文字通りやさしく包み込まれるような安心感をもたらして、様々な魅力的な場を作り出している。そして伊東さんの建築は家具や器具などにまでデザインが行き届いるのがまた楽しい。
この地域の人々の憩いの場所になっているようだし、なんだかこの建築を日常的に利用できること自体が羨ましいのだ。つくづく、そういう建築をつくりたい。

2018/03/20