愛知まちなみ建築賞一次通過

「小田井の住宅」が愛知まちなみ建築賞の一次選考を通過した。
外観写真数枚のみで審査されるので内部はほとんど関係なく、周辺環境を含めた「まちなみ」が審査対象だ。名もない一戸の住宅が「まちなみ」を形成するものとして評価されたわけだから素直にうれしい。
普段見慣れない立地条件だったので、なおさら「まちなみ」を意識せざるを得ない案件だった。昔ながらの大きな敷地と生け垣、よく手入れされた庭と植木が残る地域。しかし近くには高架の幹線道路が横断し、地主を失った土地は細分化され始めている。瓦を載せた勾配屋根の家々に混じって庇のない四角いボリュームが建ち始め、生け垣に代わって冷たいアルミのフェンスが幅を効かせてきた。そういったちょうど都市化への転換点とも言える風景があったので、なおさらそれは意識できたのかもしれない。
ともすると敬遠されがちで、ある種の潔癖さとか経済性とかにあらがうことにもなるのだけれど、残していくべき大切なものは見極めたい。それを少しでも理解してくれたクライアントに感謝しなければならないし、評価されたことは今後に向けて勇気をもらえる。
・・・と言ってもまだ一次選考。受賞したいなー。

2017/09/17