藝大図書館改修がJIA25年建築賞

今年もあと少しで終わる。振り返ると動物病院が2件オープンしたのと住宅の改修がメインで、その他細々した業務もかなりのボリュームだった。
そういった日々のバタバタに埋もれてしまいそうな中、以前参加したプロジェクトが評価されたという事案を紹介しておこうと思う。第二の母校である東京藝術大学の既存図書館棟改修工事が、JIAの25年建築賞を受賞した。

結構前のブログでも言及していたが・・・、
1965年竣工の建物の設計は、当時建築科教授の天野太郎先生である。今回の改修工事の設計を担当したのはその天野研究室出身の方々を中心とする藝大OBチームで、その中の袴田喜夫さんから声を掛けてもらって参加。建物の特徴は大きな格子梁で実現された開放的な閲覧室と、大きく開かれた開口部によるキャンパス内の杜とのつながりだろう。

計画のテーマは原設計への「復原」としたが、具体的には耐震改修や現代的なスペックの要求にも応える必要があって、その中でどれだけ従来の良さを損なわないかということがメインだったように思う。書架を増やすと構造補強が必要で、同時に見通しや開放感が失われてしまうとか、大きな窓では環境負荷が大きいが、それをなくすと周辺との一体感が損なわれるといった具合である。

そういった葛藤の中で導いた応えについて、正直自分たちでも評価できていなかった(と思っていた)ところへいただい25年建築賞。年末のうれしいニュースで大いに元気づけられて新しい年を迎えられる。
みなさんも良いお年をお迎えください。

2019/12/30